Buenaventura y Caney

Que sepan en Puerto Rico   みんなに知ってほしい
que es la tierra del jibarito,   プエルトリコはヒバロ*1の島
A Nueva York hoy mi canto    ニューヨークの人たちよ 
perdonen que no les dedico,   今日俺の歌を君たちに捧げないことを許してほしい
A Panamá, Venezuela,    パナマベネズエラ
a todos, todos hermanitos,   そしてすべての兄弟たちよ
El Grupo Niche disculpas pide    グルーポニーチェは君たちに詫びるよ
pues no es nuestra culpa   でもそれは俺たちの罪ではない
Que en la costa del Pacífico    なぜなら太平洋岸には
hay un pueblo que lo llevamos   俺たちが常にこの胸に抱き
en el alma, se nos pegaron    他の町と比べても
y con otros lo comparamos,   決して心から離れることのない町があるのだから
Allá hay cariño, ternura, ambiente de sabrosura,   そこには愛情があり 優しさが サブローソ(風味)がある
los cueros van en la sangre    小さな子どもからもっとも偉い人まで
del pequeño hasta el más grande   その血には太鼓のリズムが流れている
Son niches como nosotros,    彼らも俺たちのようにニーチェ*2なんだ
de alegría siempre en el rostro.   いつも喜びの表情を浮かべている
A ti mi Buenaventura con amor te lo dedicamos.   俺のブエナベントゥーラ 愛をこめてお前にこの歌を捧げよう  


Del Caney al Bulevar camino dos pasos,   エル・カネイからブレバル*3までほんの2ステップ
Ahí llegamos al Piñal, luego nos tapiamos.   俺たちはピニャル*4について、タピアールする*5

Mi Buenaventura, Buenaventura y Caney   俺のブエナベントゥーラ ブエナベントゥーラとカネイ

 ハイロ・バレーラの命日なので。


 ワールドゲームスの閉会式はニーチェのメドレーでした。“Tu no sabes querer”→“Buenaventura y Caney”→“Cali ají”→“Cali pachanguero”と続きますがメッチャかっこいいです。ところでワールドゲームス開会前に、お相撲さんが寝ることのできるベッドがカリにはないけどどうしようというニュースやってましたが、ほんとどうしたんでしょう。

*1:プエルトリコの象徴である自作農民。

*2:黒人のこと。

*3:80年代初頭にブエナベントゥーラにあった2つの有名なディスコ。

*4:ブエナベントゥーラ市の中心部はIsla Cascajal(カスカハル島)にあるが、大陸部分とカスカハル島をつなぐピニャル橋のこと。

*5:“レンガで壁をつくってふさぐことだが、ここでは酔っぱらうこと。

El Mejoral

Yo pensé que un mejoral podría curarme este gran dolor,  この痛みをメホラル*1が癒してくれると思ったのに
Yo pensé que un mejoral podría curarme este gran dolor,  メホラルがこの痛みを癒してくれると思ったのに
Pero qué me va a curar si es una pena de amor,  でもこれが恋の痛みならどんな薬が俺の病を治してくれるのだろうか
Pero qué me va a curar si es una pena de amor,  でもこれが恋の痛みならどんな薬が俺の病を治してくれるのだろうか


Cansado de cambiar de nido para buscar un sitio mejor,   もっといい場所を探して巣を変えるのに疲れちまった
Cansado de cambiar de nido para buscar un sitio mejor,   もっといい場所を探して巣を変えるのにも疲れたよ
Pero tú cambias de amor sin tener ningún motivo,   でもおまえは特に理由もないのに愛を取り替えちまうんだ
Pero tú cambias de amor sin tener ningún motivo.   おまえは理由もないのに愛を取り替えちゃうんだよな


En asuntos de mujeres tengo una ley muy bien aprendida,   女のことに関しちゃこうと決めていることがある
En asuntos de mujeres tengo una ley muy bien aprendida.   女のことに関しちゃさんざん学んで決めたことがある
Yo quiero a la que me quiere y olvido a la que me olvida,  俺を好いてくれるヤツのことを好きになって 俺を忘れるヤツのことは忘れるんだ
Yo quiero a la que me quiere y olvido a la que me olvida.  俺を好いてくれるヤツのことを好きになって 俺を忘れるヤツのことは忘れることさ


Yo creía que un mejoral podría curarme este gran dolor,  この痛みをメホラルが癒してくれると思ったのに
Yo creía que un mejoral podría curarme este gran dolor,  メホラルがこの痛みを癒してくれると思ったのに
Pero qué me va a curar si es una pena de amor,  でもこれが恋の痛みならどんな薬が俺の病を治してくれるのだろうか
Pero qué me va a curar si es una pena de amor,  でもこれが恋の痛みならどんな薬が俺の病を治してくれるのだろうか


No me vuelvo a enamorar 'toy convencido que es mala suerte   俺はもう二度と恋に落ちたりなんてしないよ それが不幸のもとだって骨身にしみてるからな
Yo sé que un amor sincero puede ocasiona' una muerte   まじめな愛は死さえも引き起こすからな
Yo sé que un amor sincero puede ocasiona' una muerte   まじめな愛は死をも引き起こすって知ってしまったんだよ


Las aves cambian de nido pa' ve 'onde encuentran un sitio mejor  鳥はもっとよい場所を探すために巣を代えるのに
Las aves cambian de nido pa' ve 'onde encuentran un sitio mejor  鳥だってよりよい場所を探すために巣を代えるのに
Pero tú cambias de amor sin tener ningún motivo,   おまえは特に理由もないのに愛を取り替えちまうんだ
Pero tú cambias de amor sin tener ningún motivo.   おまえは理由もないのに愛を取り替えちゃうんだよな


Si me fue pa' Venezuela es decepcionao' de Valledupar    ベネズエラに行ったのはバジェドゥパルで希望を失ったからさ
Si me fue pa' Venezuela es decepcionao' de Valledupar    ベネズエラに行ったのはバジェドゥパルにいるのにウンザリしたからさ
Como si la ausencia fuera remedio para olvidar   忘れるためにはここからいなくなるしかなかったからさ
Como si la ausencia fuera remedio para olvidar   ここにいないことが忘れるための方法だったからさ


En asuntos de mujeres tengo una ley muy bien aprendida,   女のことに関しちゃこうと決めていることがある
En asuntos de mujeres tengo una ley muy bien aprendida.   女のことに関しちゃさんざん学んで決めたことがある
Yo quiero a la que me quiere y olvido a la que me olvida,  俺を好いてくれるヤツのことを好きになって 俺を忘れるヤツのことは忘れるんだ

Álvaro Meza y Emiliano Daza en Tokio, 14 de julio de 2013, Día de la Independencia de Colombia

















 毎年恒例のコロンビア独立記念日コンサート、今年は2001年のバジェナート王・アルバロ・メサと歌手のエミリアーノ・ダサがはるばるバジェドゥパルからやって来ました。アマチュアでない、プロのバジェナート奏者の来日は初めてだと思います。
 で、アルバロ・メサの演奏ですが、まず12時20分ぐらいから30分程度、後半は豪雨で予定が押し、本当は5時で終わりなのにさらに5時〜6時30分ぐらいまで演奏するというサービスぶり。御年53歳、バジェドゥパル→ボゴタアメリカのどこか→と24時間以上かけて昨日東京に到着し、成田空港からすぐにホテルで私のインタビュー、明日は韓国、その次はマレーシアと強行軍なのに、ありがたいというか頭が下がります。
 演奏はバイラブレなスタイルでしたが(そうじゃないのを聞きたい人はバジェドゥパルまで行くしかない)、エミリアーノ・ダサのバジェナート声も美しく(彼はすっかり忘れてたんですがポンチョ・モンサルボの相棒だったんですね)、御大のアコとあわせて、アコーディオン入り歌謡曲でない、オーソドックスなすばらしいバジェナートを聞かせてくれました。
 第1部にあまり撮影できなかったので、第2部から本格的に撮影しようと思っていたのですが、カメラを出すのも躊躇するぐらいのとんでもない豪雨で雑誌掲載に耐える写真が取れたのか、不安ですが、インタビュー記事はそのうち月刊ラティーナに載ります。
なお、演目と作曲者は以下のとおり。パセオメレンゲ、ソン、プージャと全部演奏しました。僕は“Alicia adorada”が一番よかったです。
 第1部
“Matilde Lina(Leandro Díaz)”
“Mirame fijamente(Tobías Enrique Pumarejo)”
“Gota fría(Emiliano Zuleta)”
“La casa en el aire(Rafael Escalona)”、
 第2部
“El testamento(Rafael Escalona)”
“Jaime Molina(Rafael Escalona)”
“Lucero Espiritual(Juancho Polo Valencia)”
Alicia adorada(Juancho Polo Valencia)”
“El Mejoral(Rafael Escalona)”
“Los Sabanales(Calixto Ochoa)”
“Cumbia Cienaguera(Andrés Paz Barros? Luiz Enrique Martinez*1?)”
“Caracol de colores(Anibal Velazquez) ”
“Pedazo de Acordeon(Alejo Durán)”
“La casa en el aire(Rafael Escalona)”
“Tu eres la reina(Hernán Urbina Joiro *2)”。

*1:バジェナートの人とは同姓同名の別人。

*2:作曲者で表示すると誰だそれ?って思うでしょうが、15年ぐらい前はけっこう売れっ子だった作曲家で、本業はお医者さんです。この曲はディオメデス・ディアスの大ヒット曲です。

En la casa de Alto Pino / Leandro Díaz [1928 – 2013]


“Yo no le puedo negar que he sufrido de tristeza. Hace muchos años me pregunté ¿para qué me tiene Dios aquí en la tierra si no puedo ver? Pues para componer. Y si Dios no me puso ojos en la cara, fue porque se demoró lo suficiente colocándolos dentro de mí. Desde entonces, todo lo que describo en mis canciones lo veo así: con los ojos del alma.”
「俺が悲しみに満ちた人生を送ってきたことは確かだろうね。むかし自分で自分に問いかけたことがある。『俺はぜんぜん目が見えないのに、なぜ神様は俺をこの世界につれてきたんだろう?』って。たぶんそれは歌を作るためだったんだろう。神様は俺の顔に目をつけてくれなかった。でもずいぶんとたってから、それは目は心の中にあれば十分だったからだとわかったのさ。だから俺が歌の中で描いたものはぜんぶ俺が見たものなんだ。俺の心の目でね。」
Download
http://www.goear.com/listen/7a17dc1/la-casa-de-alto-pino-leandro-diaz

En la casa de Alto Pino se oyó por primera vez,  アルトピノのその家で 初めて声が聞こえた
el leve llanto de un niño que acababa de nacer.  生まれたばかりの赤ん坊の弱々しい泣き声が
Ese niñito nació para aumentar la familia,  その子は家族を増やすために生まれてきた
pero qué grande dolor sintió su madre querida  それなのに愛しい母が感じた苦しみはいかばかりだったろう
En una tarde serena debajo el azul del cielo,  ある晴れた日の午後 すみきった青い空の下で 
se descifraba el misterio, el niño tenía una pena.  隠された秘密があきらかにされた その子は苦しみをもって生まれてきたのだ


Después llevaron al niño a la tierra de Los Pajales,  やがて両親はその子をロス・パハレスへと連れていった
donde lo criaron sus padres como un retoño perdido.  その地で実を結ぶことのない芽を育てたのだった
Y a la edad de siete años le dio por adivinar  7歳になったときに 運命に才能をみいだされた
y se volvió popular en los lugares cercanos.  その子は近所で評判になり
Y cuando fue adolescente vivía cantando canciones  やがて成長すると 感情を歌にのせて人々の魂へと届けながら
llevando sus emociones al corazón de la gente.  生きるようになったのだった


Cuando vivía por la Sierra, muy poco se conocía  ラ・シエラに住んでいた頃は まだ名も知られることなく
se crió lleno de miseria allá en la monotonía.  山あいの土地で いっぱいの貧しさのなかで育った
Dicen que supo llorar lágrimas de sufrimiento  その子は苦しみの涙を流すことを知っていたという
fue tan grande su tormento que es muy difícil contar.  その痛みはあまりにも大きかったので ことばで表すのは難しい
Dicen que el hombre la suerte no sabe dónde la tiene  幸運に恵まれた者ほど自分がなにを持っているのか知らないものだ
y aquel que menos se quiere resulta ser el más fuerte.  そして望まれていない者はより強くなる


La madre naturaleza,como es tan sabía y grandiosa,  賢明で偉大な母なる自然は
le dio una mente asombrosa, supo captar la belleza.  その子に驚くべき知恵を授けた その子はこの世界の美しさを巧みに捉えることができたのだ
Y en una triste mañana se volvió compositor  ある悲しい朝のこと その子は作曲家になった
y superó su dolor con la pureza del alma.  そしてその苦しみを清浄な魂で乗り越えていった
Vivía de nuevo contento, igual que los barranqueros,  そして彼の新しい人生がはじまった それはバランケーロ*1のような豊かな人生
porque hoy se escuchan sus versos aquí y en el mundo entero.  なぜなら今その子の歌は世界中で聞かれているのだから

 最後のフグラール(放浪楽師)が二度と戻らない旅にでた。コロンビア北東部大西洋岸地方が産んだ偉大な文化の終焉に哀悼を込めて。
関連エントリー) http://d.hatena.ne.jp/Genichi_Yamaguchi/20110902/1314974365

なんかエル・グラン・コンボが歩いてた


 客先から会社に帰ってきたら・・・??? 前から歩いてくるのはジェリー・リバスとチャーリー・アポンテ!!!。いやー、記憶にないほど取り乱しました(笑)。

Mi pueblo natal / Jairo Varela [1949 – 2012]

A lo lejos se ve  遠くからみえる
mi pueblo natal  ぼくの生まれた村
no veo la santa hora  あの村にいる聖なる時間は
de estar allá   今のぼくには体験できない


Se vienen a mi mente bellos recuerdos   心のなかにわき上がる数々の美しい思い出
infancia alegre que yo nunca olvidaré   楽しかった子ども時代 ぼくはきっと忘れない


Luces de esperma en el fondo se divisan  部屋の奥にかすかにみえるろうそくの光
titilantes igual que estrellas en el cielo   その揺れるさまは空にきらめく星のよう
y el ruido incesante del viejo trapiche   絶え間なくギュウギュウガタガタと音を立てる古いトラピチェ
sustento eterno de todos mis abuelos   それがぼくのおじいちゃんとおばあちゃんが持っていた生活の糧


Ya vamos llegando  さあ行こう
me estoy acercando  少しづつ少しづつと故郷に近づくにつれて
no puedo evitar que los ojos   ぼくの目は
se me agüen    あふれる涙でいっぱいだ


Tierra mía, pueblito donde nací  ぼくの故郷 ぼくの生まれた町


Entre valles y montañas   谷と山々の間を流れる川は
ríos que surten tus mares   おまえの海へ注がれて
y el cielo azul    青い空へと連なってゆく
que son patrimonio de mis cantares   それがぼくの歌に宿る大事な財産


Ya vamos llegando  さあ行こう
me estoy acercando  少しづつ少しづつと故郷に近づくにつれて
no puedo evitar que los ojos   ぼくの目は
se me agüen    あふれる涙でいっぱいだ

 ハイロ・バレーラはコロンビア最貧県であるチョコー県の県庁所在地キブドーからさらに車で5時間ほどのところにあるドミンゴドー村で生まれました。その生涯で多くのヒット曲を残したハイロですが、故郷のチョコーをテーマにした曲はこの“Mi pueblo natal”のみとされています*1。ただ今年になって 'El amanecer de los pájaros'というタイトルでコロンビア太平洋岸の国内避難民をテーマに小説を書いていたそうです(私は未読)。
 グルーポ・ニーチェはヒット曲の影響でカリの楽団として認知されていますし(ただ本拠はカリだが結成されたのはボゴタ)、皮肉や嫌みの多い偏屈な性格で滅多に本音を話さないとされていたハイロの心の内は知るよしもありません。でも、今日、突然の訃報に触れて、私はふと彼の心の中には常に故郷に対する愛情と喪失感があったのではないかなと思いました。
 さようなら、ハイロ・バレーラ。たくさんのすてきなサルサをありがとう。

*1:ただしチョコーの名曲“Atrateño”は1983年に録音しています。

Estampas Colombianas en Tokio, 15 de julio de 2012, Día de la Independencia

















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