El pescador

Va subiendo la corriente con chinchorro y atarraya,  川の流れは小舟と投網をしたがえ水かさを増してゆく
La canoa del bareque para llegar a la playa   バレケ*1のカヌーは浜辺をめざす


El pescador, habla con la luna    漁師は月と話す
El pescador, habla con la playa    漁師は岸辺と話す
El pescador, no tiene fortuna solo su atarraya   貧しい漁師 唯一の財産は投網だけ


Regresan los pescadores con su carga pa'vender   売り物の魚を積んで漁師たちが帰ってきた
Al puerto de sus amores donde tienen su querer   愛しい人が彼らを待っている港へと


 この曲もホセ・バロス(http://d.hatena.ne.jp/Genichi_Yamaguchi/20110604/1307161448)の作品です。歌詞には地名がありませんし、ホセ・バロスはサンタマルタやバランキージャにも住んだことがあるので、この曲の舞台が川か海か正確にはわからないのですが、マグダレナ川もしくはセサル川と切っても切れない作曲家の作品ですので、川と解釈するべきでしょう。


 今月23日〜26日、マグダレナ県エル・バンコ市で“Festival Nacional de la Cumbia(クンビア国民フェスティバル)”が開催されます。先日紹介した“La Piragua”は、エル・バンコ市出身のホセ・バロスが、1975年に初めて開催されたこのフェスティバル用に作った曲です。つまり今年のフェスは第27回ということになります。
 バジェドゥパルのバジェナート伝説フェスティバルのように楽器奏者が技術を競うというよりは、ダンスの優雅さを楽しむといった雰囲気のようですが(http://espanol.answers.yahoo.com/question/index?qid=20100407191859AAgO2st)地元の住民が総出で参加するとても楽しいフェスティバルのようです。
 マグダレナ川がセサル川と分岐する地点にあるエル・バンコ市は“デプレシオン・モンポシーナ(Depresión Momposina)”*2、先住民のことばで“ポカブイ(Pocabuy)”と呼ばれるクンビアの発祥地域の中心にあり、現在までそれほど認知されているとは言えませんが、フェスティバル開催以来“La ciudad imperio de la cumbia(クンビアの帝都)”というニックネームを広げようとしています(ただ広まれば広まったで黙っていない人が多そうです。)。クンビアはサルサなどと同様に認知に歪みの大きい音楽なので、このフェスティバルで本当のクンビアの価値が認められるといいと思います。