El Diablo

Era un hombre de veras valiente   真に勇敢な男だった
Se burlaba de la polícia   警察をあざけり笑い
A su mando traía mucha gente   その命令一下で多くの人を動かしていた
Su negocio se lo requería   人々に求められる商売をしていた
Poderoso y también muy alegre   絶大な力をもちながら同時にとても陽気な男は
Como“El Diablo”se le conocía   “エル・ディアブロ(魔王)”として知られていた


Donde quiera sonaba su nombre   彼の名前がひびき
y tronaba su cuerno de chivo    クエルノ・デ・チボ*1がとどろく場所では
cada rafaga llevaba un hombre   掃射のたびに男がもっていかれる
No fallaba, era muy efectivo   絶対にしくじらない 実に効果的な男だった
Lo apreciaban mucho sus patrones   パトロンたちは彼を絶賛した
Ni se diga su gente y amigos   彼の支持者とアミーゴたちについてはいうまでもない


El Dinero, el Poder y la Fama   金と力と名声
son tres cosas muy afrodisíacas   最高に欲情させる三つのもの
Sin buscar las mujeres te sobran   追いかけ回してもいないのに女があふれている
solteritas viudas y casadas   独身の女、未亡人、人妻とよりどりみどり
“A gozar de la vida que es corta”   「人生は短いんだ、おおいに楽しもうぜ」  
decía El Diablo rodeado de damas   エル・ディアブロは女に囲まれながらいったものだ
“Para mi la pobreza es historia   「おれにとって貧乏なんざ過去の物語さ
La hice añicos a punta de bala”   そんなものは弾丸でバラバラにしてやった」


“Somos gente del Cartel del Diablo”   「おれたちはディアブロカルテルのもんだ」
les decían a los Federales   彼らはフェデラル*2のやつらにいった      
De inmediato les abrían el paso   すぐにポリ公どもは彼らに道をあけたものだ 
Era más que se activa la clave   そのセリフがキーをアクティブにするもっともいい方法だったのだ
sabían bien que si no hacían caso   連中もわかっていたからだ  もしもそれを無視したら
sus cabezas volarían al aire   生首が宙を舞うことになると


En la mafia tambien hay escuela   マフィアにも学校がある
Fue maestro y ejemplo de varios   彼は先生であり多くの事例のお手本
Le atoraba de frente a cual quiera   行く手をふさごうとするものはなんでも退けた
Fueran leyes o fueran contrarios   それが警察であれ対立する組織であれ
los dejaba como coladeras   下水溝のように放置した??
Enojado era el mismito Diablo   まさに怒りのディアブロその人


Son valientes en verdad no hay duda   あいつらこそ真の勇者 それは疑いがない話
Lo que somos lo aprenden los hijos   おれたち子どもが学んだことは
Las ofensas más grandes perdurán   重大な侮辱はいつまでも尾を引くということ
No se olvidan ni por un ratito   そのことをひとときも忘れるな
La venganza fue de gran altura   復讐こそがもっとも重要
“Mis respetos para el muchachito”   「おれのあのガキに対する敬意を受け取れや」
con un cuento vengó a su familia   こういって彼はあの家族に復讐をした
No dejó nadie vivo El Diablito   エル・ディアブロさんは誰も生かしちゃおかなかった


 去年メキシコで建国200周年記念にあわせて公開されたルイス・エストラーダ監督の映画“El Infierno(地獄)”(http://www.elinfiernolapelicula.com.mx/)の主題歌です。
 ビデオの冒頭に出てくるさえないおじさんのベニーがアメリカから強制送還されるところから、ドラマが始まります。20年ぶりに故郷に帰ったベニーは、金と女と凄惨な暴力、腐敗した政治が渦巻く麻薬ビジネスの世界に巻き込まれていきます。
 映画の公式HP、“MEXICO 2010”(メキシコ2010年)という建国祝いのロゴがでてきたと思ったら、すぐにマシンガンでボコボコにされて“ Nada que celebrar”(祝うことなど何もない)と出てきます。
 映画のポスターではワンちゃんが人間の手をくわえています。道のうえで人が山になっています。その後ろではドラム缶からなぜか人の足が出ています。歌は当然ばりばりナルココリードです。


 訳がかなりいいかげんですが、実はもうかなり酔っています。ぼくは乱暴な人間ではありませんが、酔ったせいかやけにこの歌が気持ち良く聞こえます。ぼくにも○。○○○てやりたいフェデラーレスがいるからでしょうか?
 …酔いが覚めたら、訳はたぶん直すと思います。(追記:あとからみたらそんなにまちがっていないみたいです。)

*1:「山羊の角」、メキシコのスラングAK47(カラシニコフ自動小銃のこと。マガジンが湾曲しているからだそうです。http://ja.wikipedia.org/wiki/AK-47

*2:連邦警察。