Entreverao


 8月28日にこのトリオのアルバムが日本で発売されるというので、ある雑誌にレビューを書きました。バンブーコ、パシージョ、ホローポの名曲・オリジナル曲を、クアトロ、コントラバス、フルートで(この編成はコロンビアではどのジャンルにとっても一般的ではない)、即興を交えた都会風のアレンジで演奏するという、伝統、伝統と口うるさい頑固な保守主義者の多いコロンビア人が目をむきそうな手法で挑戦しながら、フェスティバル・モノ・ヌニェスを初めとする各地の音楽祭を席巻している超実力派です。これ、目をつむって聴いたらベネズエラ人って思うよね。名前の由来は、ジャノス弁で建築資材に使う竹やサトウキビのことです。
http://www.sambinha.com/item/guafa.html
 宣伝文は、内容の正確性には疑問がありますが*1、このトリオの特徴を的確に捉えていますし、タンゴ以外のラテン、特にコロンビアとなるとトロピカル音楽偏重になりがちな日本で、この分野の実力派バンドを紹介しようというのは素晴らしい試みです。彼らならベネズエラ音楽ファン、ブラジル音楽ファンにもうけるでしょう。ただ、ホローポはともかく、バンブーコってこれかと思って他の物に手を出すとがっかりするかも知れません・・・。

*1:パシージョはボゴターの白人入植者で生まれたものではなく、19世紀にスペインから南米大陸に伝わったバルスの末裔で、同名のジャンルはエクアドルにもあります。またたとえば同族であるペルーのバルスと比べるとコロンビアのパシージョは先住民系、アフロ系の影響はむしろ希薄ではないでしょうか。バンブーコがアフロ系起源とする文献はありますが、少数説です。また一般にはバンブーコの故郷としてあげられるのはトリマ近辺です。