La luna de Brranquilla / Volvió Juanita / Esthercita Forero [1919-2011]

La luna de Barranquilla tiene una cosa de maravilla   バランキージャの月 なんてすてきなの
La luna de Barranquilla tiene una cosa de maravilla   バランキージャの月 なんてすてきなの
Ay, esa luna lunita, esa luna bonita   かわいい月 美しい月
Chiquitín, chiquitica    チキティン チキティー
Morenín, morenita   モレニン モレニータ 


Lunita barranquillera le conozco tu secreto   バランキージャのお月さま 私あなたの秘密を知ってるのよ
Tiene amores hace tiempo con el río Magdalena   むかしマグダレナ川と恋に落ちたでしょう
Los he visto besarse en la arena   ある晩にあなたたちがキスをしているのを見てしまったの
una noche de cumbia y palmera   椰子の木陰にクンビアが流れるあの晩に
tan airosa la luna garbosa    なんて優雅で上品な月なんでしょう
Como son las mozas barranquilleras   まるでバランキージャの女の子みたい

 先週の金曜日、6月4日に91歳でなくなった“La Novia de Barranquilla(バランキージャの恋人)”ことエステルシータの作品です。

 
 エステルシータは、歌手としてだけではなくて、作曲家としても有名で、“La guacherna”や “Volvió Junita”など、今も多くの国で歌いつがれる作品をいくつも残しています。

Volvió Juanita y dijo que no volvía    フアニータが戻ってきた 戻らないって言ってたのに
Volvió con una maleta cargada de lejanías   フアニータがバッグを抱えて遠くから帰ってきた
Volvió Juanita con su pollera pintada   フアニータがきれいな模様のポジェーラを
De pájaros y colores, de amores y de sus amores  鳥と花と愛で彩られたポジェーラを着て戻ってきた*1


Que bonita se ve llegando del aeropuerto    空港に降り立った彼女はなんてきれいなの
Regresando otra vez a su gente y a su pueblo   もう一度地元の仲間のところに戻ってきた
Ay, Juan y Manuela tu linda piel de canela   とても美しい褐色の肌のフアンとマヌエラ
Cuando bailaba la cumbia en noches de luna llena   満月の夜にクンビアを踊れば
Y su cuerpo de palmeras, sabor de coco y canela   椰子の木でできたあなたの体、ココナッツとシナモンの香りがする
Alegría y aguardiente resbalaban por las caderas   その腰には歓喜とアグアルディエンテが滴になって流れ落ちる


Volvió Juanita, está bailando la brisa  フアニータが戻ってきた そよ風とともに踊っている
La plaza y las campanas, las flores y las sonrisas   広場と鐘、花とほほえみ
Y los recuerdos, calor de la vieja casa   数々の思い出と古い家の美しい色
La tasita de café, el agua de la tinaja   小さなカップに入ったコーヒー、大きなかめに入った水


El amor se dió sin cambios y sin ventajas   昔と変わらない愛が戻ってきた
Y ahora vuelve a sentir tu tierra bajo las plantas  もう一度木が茂る自分の土地を感じる 
Ay, Juan y Manuela tu linda piel de canela   とても美しい褐色の肌のフアンとマヌエラ
Cuando bailaba la cumbia en noches de luna llena   満月の夜にクンビアを踊れば
Y su cuerpo de palmeras, sabor de coco y canela   椰子の木でできたあなたの体、ココナッツとシナモンの香りがする
Alegría y aguardiente resbalaban por las caderas   その腰には歓喜とアグアルディエンテが滴になって流れ落ちる

 この曲は、一般にはコロンビアの曲というよりは、メレンゲとして認知されているのかも知れません。私も最初にこの曲を聴いたのは1985年ごろ、ロス・ベシーノスの演奏でした。ドミニカ人もアメリカに大量に移民しているので、今どきの出稼ぎソングとしてもあまり違和感がないと思います(ただし歌詞の“cumbia”は“rumba”に換わっています。)。


 ミリーは、エステルシータを病床にお見舞いに行ったり、彼女の曲をアメリカ政府(の国会図書館だかなんだか?)に残すように働きかけていたとのこと。

 ぱくりっぱなしの人が多いラテンの世界ではえらいですね。ただ、エステルシータをたたえるあまり、彼女の作品は日本でも売れたというのは言い過ぎでしょう*2

*1:英語の字幕をつけた方は、“desamores”(無関心)と理解したようですが、違うのでは?ただ全般的にとてもよくできた英訳で参考になりました。

*2:ロス・ベシーノスは1枚か2枚日本でCD出してるし、20年ぐらい前に来日しているので、それのことかな?