Fotografía

Cada vez que yo me voy   出かけるたびに
llevo a un lado de mi piel tus fotografías    君の写真を肌身離さずもっていく
Para verlas cada vez   いつでもそれをみることができるように
Que tu ausencia me devora entero el corazón   君がいないとぼくの心はこんなにもさいなまされる
Y yo no tengo remedio más   君を愛する以外に
Que amarte...   ぼくの心にどんな救いがあるのだろうか


En la distancia te puedo ver   どんなに遠く離れていても私にはあなたがみえる
Cuando tus fotos me siento a ver   すわってあなたの写真をみると
en las estrellas tus ojos ver    星のなかにあなたのひとみが見える
Cuando tus fotos me siento a ver    すわってあなたの写真をみると


Cada vez que te busco te vas y   いつも私が探しているとあなたは行ってしまう
Cada vez que te llamo no estás   いつも私が電話をしてもあなたはいない
es por eso que debo decir que tú solo   だから私はいわなければならないの
en mis fotos estás    あなたは私の写真の中にしかいないって


Cuando hay un abismo desnudo   ふたりの間をへだてる
Que se opone entre los dos   むき出しになった深い裂け目があるときに
Yo me valgo del recuerdo taciturno de tu voz   私は声のない思い出であなたの声を思い出す
Y de nuevo siento enfermo este corazón   そしてもう一度恋の病に落ちる
Que no le queda remedio más que amarte   あなたを愛する以外に私の心を救うものはない

 しかしフアネスも、3年から4年とはいえ、リタイアとは・・・。別れたマネージャーが言ってることですから、本当にそんなに長くなるかはわかりませんが、何はともあれ、この歌のように(ちなみにフアネスの歌をちゃんと訳したのは初めてです)過去の写真でしかみれなくなってしまったわけです。
 ぼくは日本一の彼のファンであるid:pakinaさんに「昔のフアネスは裾野が狭いけどとんがった山、今のフアネスは裾野は広いけどなだらかな山」と話したことがあるのですが、彼はそのキャリアの岐路に立っていたように思います。彼と同じく国際的におおいに売れたコロンビアの歌手というと、シャキーラとカルロス・ビベスがあげられます。シャキーラは、アメリカ市場進出に際して、それまでの音楽との連続性を完全に断って、ラテン女のステレオタイプそのままにグリンゴ相手に腰をくねらせる*1道をすすみました。ビベスは、初期のメガヒットのあとも、コロンビア音楽から離れることなく、結局、スペイン語圏限定スターへの道を進みました。アメリカ巨大資本の仕切るビッグビジネスの中で、マイノリティとしていずれを選択するのか。「情熱のなんちゃら」だの「ブラジャーがどうの」と見当ちがいなキャッチフレーズをつけられたフアネスが、いずれを志向していたのかはわかりません。ただ、シャキーラみたい割り切ってやれる図太いタイプにはみえない反面、あれだけのスターになるとぶら下がってる人やしがらみも多いですから、今さら地元でチマチマやるわけにもいかなかったのだろうとは想像しています。
 ラテン音楽では、絶頂期(ないしその周辺)で聴けなくなってしまう歌手はけっこういるのですが*2、たいていは刑務所に行くか薬物中毒になるか殺されるかでした。フアネスの場合は、心の病は重そうですが、そういう事情がないだけに、残念です。

*1:ご存じの人も多いとは思いますが、彼女はもともとセクシーでも何でもありません。私は、初めて金髪に染めた彼女がビキニをつけて英語で歌うのをみたときは、マジで椅子からこけそうになりました。フアネスにしても本質は“メタル・ギーク”で、「情熱のなんちゃら」はとはほど遠いキャラクターです。

*2:このブログで取りあげた人の中だけでも思いつくままに イスマエル・リベーラ→刑務所、フランキー・ルイス→刑務所、マルビン・サンティアゴ→刑務所、ディオメデス・ディアス→殺人容疑で指名手配されて潜伏・逃亡、バレンティン・エリサルデ→殺害、チャマコ・ラミレス→殺害、ラファエル・オロスコ→殺害、絶頂期ではありませんでしたがラミロ・ベテル→殺害などなど。