Lluvia en el agua

Los pies en la arena   砂浜に立つ足
camino de piedra     石の道
tras una sonrisa     微笑みの後ろには
va ocultando su pena   その苦しみが隠れていく


Lágrimas y amores   涙と愛
historias de viento    風の物語
toque de tambores     太鼓の音
sonidos y misterios    音と神秘


Fuego que ilumina      火をつけて
aquellas noches oscuras,   あの暗やみをてらして
Enciende la luz        明りをつけて
pa’contemplar su ternura.   その優しさをずっと眺めていたいから


Lluvia en el agua       水の中の雨
que entonas un canto,     あなたが歌を歌って
Aire que te llevas      あなたが運んできた空気
todos mis quebrantos.     私の心の傷よ


Y no es agua ni es arena      海辺は
la orilla del mar.        水ではない 砂浜でもない
Entre llantos y alegrías     叫び声と喜びの声のなか
la vida se va.             人生は進んでいく


Manos que liberan     鎖を壊して 
rompiendo cadenas      自由にする手
si cantas y vuelas     もしあなたが歌えれば 空を飛べる
se olvidan las penas     苦しみも消え去って


La voz del ancestro    先祖の声が
prepara los versos      詩を作る
al son de los cueros     太鼓の音で
empieza el concierto     コンサートが始まる


Lluvia en el agua        水の中の雨
que entonas un canto,      あなたが歌を歌う
tiempo que detienes       あなたが止めた時間
el color de su llanto.      あの叫びの色

 サンバシリオ*1での音楽経験にインスピレーションを得たマリア・ムラータひさしぶりの新曲です。昨年、私は彼女にインタビューをしましたが、そのときも、サンバシリオで撮影した写真を「みてみて、この子ったら2歳でまだ話すことも歩くこともできないのに、タンボールは叩くのよ!」とはしゃぎながらみせてくれました。わかったようなわからないような歌詞ですが、雰囲気を味わっていただくために直訳をしています。ご本人からいただいたヒントは“ que es más libre el ave, que además de volar, canta.” なお、ビデオは彼女自身がアップしたものですが、サムネイルは韓国公演の様子、最後は日本公演のときの写真です。

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「伝統音楽は、ラジオなどの既成メディアにはなかなか取りあげてもらえません。でも、今はインターネットを活用することによって、既成メディアにパランカ(コネ)がなくても、伝統音楽を一般聴衆に向けて発信することができます。興味深いことに、伝統音楽に関心を持つ若者は、コロンビア国内では増えているのです。私たちの役割は、豊かな文化的伝統を持ちながら、社会的な要因でその保持に困難を抱えているコミュニティ、たとえばパレンケの子どもたちらを支援しながら、伝統音楽のダイナミズムやエネルギーを救い出すこと。そしてボセーロ(スポークスマン)としてそれを外部にアピールしていくことです。」(月刊ラティーナ2011年9月5号より)

 新しいアルバムもそろそろ発売です。2006年の“Itinerario de Tambores”も2008年の“Los vestidos de Cumbia”も、一曲一曲ほんとうにていねいに作られています。ぜひ聴いてみてください。

Itinerario De Tambores

Itinerario De Tambores

Los Vestidos De la Cumbia

Los Vestidos De la Cumbia