Adiós mi negra querida / Puya Puyara / La Candela



 今日は都内某所の喫茶店で、マリア・ムラータの歌手/ディレクトーラ(音楽監督)ディアナ・エルナンデスさんにインタビューをしてきました。私がコーディネーターの領事館の女性職員に「コロンビアのどこの出身ですか」と聞いたところ、彼女が自分はボゴタだけど両親はラ・グアヒーラだと答えるので、「ラ・グアヒーラといえば・・・」とみんなで“El Cantor de Fonseca”を歌ったり*1、ディアナさんが「サンバシリオって知ってる?」というから、私が“Palenque fue fundado, fundado por Benkos Biohó・・・”と歌ったら、ディアナが大喜びして「みてみて、この子ったらまだ2歳にもならないで、まだ口も聴かないし歩くこともできないのにもうタンボールは叩くのよ!」といってパレンケで撮影した映像を見せてくれたり、ファーストアルバム“Itinerario de Tambores”のCDをみせたらディアナさん、「これコロンビアでもほとんど売ってないのに!どうしてもってるの?」とこれまた大喜びしてサインをしてくれたり*2、歌詞や伝統音楽の意味や由来で分らなかったところを教えてもらったり、コロンビア音楽ファン冥利につきるというか、ずっとこの国の音楽を愛していて本当によかったな、これからももっともっと勉強しよう、と思えるとても楽しいインタビューでした。
 このブログにいろいろ留保付で書いたコロンビア音楽の紹介は、だいたいあたってるようです。こちらからはもちろんそういう話題は振っていませんが、クンビアへの妙な注目の高まりには相当困惑をしているようでした。けっこういい雰囲気のインタビューだったのは、私がいい男だからではなくて、外国でコロンビア音楽が正当に評価されることがすくないからなのかな、と思いました。
 ディアナ・エルナンデスと話していて、彼女は音楽の才能があって、楽曲のみならずその生まれる背景も含め伝統音楽に対してたいへん謙虚にむきあっていて、研究熱心で、社会的な関心も高く、自分の役割に対してたいへん意識的で、おまけにチャーミングで、コロンビア音楽は実にいいスポークスマンをもったなと感じました。詳しくは月刊ラティーナ9月号(8月20日発売)掲載のインタビュー記事に譲りますが、インタビューそのものはとても記事には書ききれない量ですので、雑誌の販売に迷惑がかからない段階になったらブログで紹介するかも知れません。
 日曜日のコンサートは期待していいと思います。

*1:なんと、日本の大学院に留学してそのまま日本に住むようになったその職員さんの親戚はバジェナートの作曲家で、バジェナート伝説フェスティバルの“Canción Inédita”部門の常連だそうです。「今度は親戚に取材させてください」といっておきました。

*2:Gracias por apreciar nuestro folclore(私たちの民謡を高く評価してくれてありがとう)”と書いてくれました。私は2007年にEl Tiempo紙の音楽ニュースで彼女らがブジェレンゲを歌ってビーニャ・デル・マルで銀のカモメ賞を獲得したとの記事を見たときにコロンビアの友人に頼んで買いましたが、現在このアルバムはamazonダウンロード販売しています。http://www.amazon.co.jp/Maria-Mulata/dp/B003X49SKI