Hermoso cañaguate florecido...美しく咲き乱れるコガネノウゼンよ


http://es.wikipedia.org/wiki/Archivo:Ipe_amarelo.JPG
コガネノウゼンはコロンビア、ブラジル原産、ノウゼンカズラ科に属し、学名は“Tabebuia”、英名は“Golden trumpet tree”。ブラジルでは“ipê”、ベネズエラでは“araguaney”と呼ばれ、それぞれ国花。“cañaguate(カニャグゥアテ)”というのはコロンビア北部独特のいいかた(コロンビアでもカリやチョコーなどでは“guayacán”という。有名なサルサ・バンドの名まえはこれ。)。日本では、戦後、ブラジルから沖縄に輸入され、「イッペー」という名で親しまれている。

 ビジャヌエバからバジェドゥパルにいくバスに、その男は乗っていた。ラ・グアヒーラ県ビジャヌエバ市生まれ、職業はバジェナートの歌手。音楽家の一族に生まれ、30歳に近くなって、ようやく名門楽団“Binomio de Oro”のセカンド・ボーカルに採用されたが、たいした評判にもならないうちに脱退。ついでにいうと、つきあっていた彼女にふられたばかりだった。
 失意の男を乗せたバスがある町にさしかかると、cañaguate(コガネノウゼン)の花束を山のようにかかえた男性が乗り込んできた。彼が奥の席へと歩いていくと、花束からこぼれ落ちた花びらがバスの通路を鮮やかな黄色に染める。その光景をみて、男は歌を作った。

Hermoso cañaguate florecido  美しく咲き乱れるコガネノウゼンよ
si pasa dile que deje el afán  もしもあのこがとおりかかったら、愛情を残していくように伝えておくれ
por favor embellece el camino  そして、その道を美しく飾っておくれ
que pise de tus flores al andar  あのこがおまえの花ビラを踏みながら歩くように


No quiere nada de mi  あのこはオレのことがだいきらい
ni mi adiós quiso aceptar  さよならさえも無視された
tantas veces le mentí  何度もあのこにウソをついてきた
que hoy me duele la verdad  今、真実がオレを苦しめる


tuvo toda la razón   オレにはわかるよ
para marcharse lo sé  あのこが去っていくのももっともだ
como buen guajiro yo  でもオレは一人前のグアヒーラっ子だから
mi falta la pagaré  自分のあやまちはつぐなうよ

 
Ay hombe olvidarla es imposíble   ああ、なんてこった、あのこのことを忘れるなんてできっこない
Ay hombe esto para mi es terrible  なんて恐ろしいことなんだ
Ay hombe sin su amor yo no soy nada  あのこの愛なしにはオレなんてないのもいっしょだ
Ay hombe que vacio hay en el alma   心の中にぽっかり穴があいたみたいだ

 「アレホ・ドゥランの“Alicia adorada”以来、誰もレコードにしたら売れるなんて思わなかった」(マネージャーのロベルト・メサ)古くさいリズム、“ソン”に乗せたこの歌は、2002年に発表されると、あれよあれよというまにヒットチャートを駆け上り、2003年のコロンビアでは、フアネスシャキーラといった世界的なスーパースターをおさえてラジオでもっともよくかかった曲となった。
 “Ay Hombe”のメガ・ヒットは、“el muchacho que alguna vez cantó con Jean Carlos Centeno en el Binomio de Oro(いつだったか、ビノミオ・デ・オロでジャン・カルロス・センテーノの横で歌っていた若いの)”を“ホルヘ・セレドン”という一人前の歌手として知らしめるとともに、“La Nueva Ola”(新しい波)と呼ばれる、バジェナートの隆盛のシンボルになった。

Cuando escuche esta canción  この歌を聞いたら
va a saber que hay ansiedad  あのこはオレの熱い想いを知るだろう
tengo fé de que mi son  オレは自分のソンを信じている
donde esté la va a encontrar  あのこがどこにいようと届くはずさ

 ところで、夢の中でコガネノウゼンの道を踏んだ彼女に、セレドンのソンは届いたのだろうか。
“En un momento me la encontré . Me dijo que había escuchado la canción, pero no sabía que era para ella. Tuve la oportunidad de decírselo, pero no fue lo mismo. Soltó una sonrisa y siguió su camino...”
「その後、彼女とばったり会ったよ。その歌、聞いたわ、って言ってくれた。でも彼女のために書いた歌だって気がついていなかった。ボクはそのことを伝えるチャンスはあったんだけど、もう昔と同じじゃなかった。彼女はほほえむと、そのままいっちゃったんだ…」