Ceremonia clausura mundial sub20 2011


 U-20ワールドカップ2011・コロンビア大会の閉会式です。
 マリア・ムラータも出演し、チョック・キブ・タウンがトリを飾っています。映像にはありませんが、エカ、ビクトリア・スールも出演していたそうです。若くてはつらつとした女性歌手ばかりなのは、対外イメージを考えてのことでしょうか。確かにカシーケとかダリオ・ゴメスとかシルベストレとか、ああいうおじさんがアコーディオンをかついで出てきたら、これぞコロンビア!ではあるものの、外国人からは「やっぱり・・・」と思われてしまいますよね。コロンビア音楽はその超保守性ゆえに外国人が聴くにはあまりにも田舎臭すぎる、国外で売るには国内向けと国外向けと使い分けないと難しいだろう、と20年前に喝破したのはあの石橋純さんですが、最近の若いコロンビア人の音楽は、ボゴタというコロンビアの中では音楽的に不毛だった土地を舞台に、カクテル作り(地酒=伝統音楽を、強烈な味に馴染みのない人向けに、風味を活かしたままアレンジする)名人・イバン・ベネビーデスのしかけで、そのあたりが意識的に追及されているような感じを受けます。いずれにせよ、これほどまでに絢爛豪華で、かつ破綻なく進行する閉会式が、あの薄汚れたカンピン・スタジアムで行われるとは、隔世の感があります。
 コロンビアは、1986年のワールドカップの開催地に決まりながら、財政難と治安の悪さで、開催を辞退させられた苦い経験があり*1、それだけに今度の大会の成功にかける関係者の思いには強いものがありました。なんかスタジアムを異様にピカピカにしていたし・・・。ホスト国としての役割をみごとに果たした今大会の成功で、世界中から絶賛されて、将来のワールドカップ誘致に向けて大きくアピールしたといえるのではないでしょうか。

オロ

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 4曲分だけ歌詞の翻訳がついているそうです。16曲中4曲というのは微妙な数字ですが、スペイン語の歌詞の聴き取りや翻訳はたいへんですし、まったく歌詞の紹介されない国内盤も多いですし*2、このバンドは歌詞がとてもいいので*3、おすすめです。

*1:私はその前の年に初めてコロンビアを訪れていますが、最高裁判所がM19に占拠されてものすごい数の死者が出たり、散々でした。2001年の南米選手権も、開催の3ヶ月前に訪れていますが、サッカー協会の副会長が誘拐され、ペルー代表チームの宿泊予定だったトーレ・デ・カリという高級ホテルが爆破され、治安の悪さに恐れおののいたブラジルとアルゼンティンが主力選手の派遣を拒否し、これまた散々でした。そのおかげでコロンビア優勝しましたが・・・

*2:ちなみに“Somos Pacifico” http://d.hatena.ne.jp/Genichi_Yamaguchi/20110812/1313107530 はないそうです。

*3:特に、昔から差別の対象だった太平洋岸地方の出身者が、彼らの音楽から感じるカタルシスは、われわれ外部の人間にはかんたんには理解ができないものがあると思います。私は、ラテン・グラミーには興味ないのですが、チョック・キブ・タウンのメンバーが、受賞の際に、「僕たちはチョコーから来て、初めてグラミーをとって・・・」と、こみあげるものを必死に押さえながら話していたシーンは、思わずもらい泣きしそうになりました。