「バジェナート伝説フェスティバルが初めて日本で生中継された日」をトゥギャりました。

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 楽しかった一日の記念に。


 バジェナート伝説フェスティバルは1968年に、作曲家のラファエル・エスカローナ、バジェドゥパルの門閥出身のジャーナリストで後に文化大臣になるカシーカ(女親分)ことコンスエロ・アラウホ・ノゲーラ、当時のセサルの県知事で後に大統領になるアルフォンソ・ロペス・ミケルセンがはじめました。
 2001年にカシーカがFARCに誘拐されて殺害され、2007年にアルフォンソ・ロペスが、2009年にエスカローナが亡くなり、今年の大会は創設者がすべてこの世からさって初めての大会だったわけです。


 世界各地で昔から親しまれてきた大衆音楽が、商業化されたポピュラー音楽に押されて、「古くさい」「ダサイ」「かっこ悪い」というレッテルをはられて衰退するなか、かつてコロンビアのなかでさえ「裸足で歩いている人夫風情のもの」「酔っぱらいを楽しませるにはぴったりでも、まともな家の敷居をまたげるような代物ではない」とさげすまれていたバジェナートが*1ここまで強い生命力を保ち続けているのは、驚くべきことです。
 もちろん、それは音楽家とファンあってのことですが、私は、この大会抜きには考えられなかったとと考えています。この大会がなければ、新しい才能のある演奏家が、つぎつぎにこのジャンルに挑戦するということもなかったでしょう。商業化されたバジェナートでほとんど演奏されることのない“メレンゲ”や“プージャ”、“ソン”などのリズムは、とうの昔に滅びていたかも知れません。エミリアーノ・スレータ、ルイス・エンリケ・マルティネス、ロレンソ・モラレス、ファンチョ・ポロ・バレンシアなどアコーディオンをかついで放浪生活をしていた世代の作曲家の残した作品は、時の経過とともに、「百年の孤独」のマコンドのように、ひとびとの記憶から消し去られていたことでしょう。


 2007年の第40回記念大会をカラコルが初めて全コロンビアで生中継したフェスティバル、43回目になる今年は、ついにこの日本でもバジェドゥパルのCanal12、バランキージャのTelecaribeのインターネット放送を通じて、生中継でみることができました。
 わたしは、5月1日の午後3時頃から翌2日の午後4時まで、食事を取るのも忘れてバジェナートを聴きつづけました。twitter でいっしょにみている人と時間を共有しながらみたのも、ほんとうに楽しかった。最高の一日でした。感無量です。


 プロ部門のエントリー69人のなかからみごとに2010年のバジェナート王にかがやいたルイス・ダサも、惜しくも2位に終わったマヌエル・ベガ、3位になったフリアン・モヒカも、その他の人々も、ほんとうにありがとうございました。

 さまざまな社会的な偏見や、強力なトロピカル音楽やポップスの挑戦、商業主義に脅威のなか、コロンビアの風土にしっかりと根を下ろし、そこに生きる庶民によりそいつづけた力強い音楽と、それを支え続けたひとびとのことを、私はこれまでも愛し続けるでしょう。



 Idolos de su folclor, les doy aplausos con todo mi cariño y respeto para sus grandes éxitos en estos 5 días, nos vamos a parrandear en el parque de “La leyenda Vallenata”en 2011!